TOP > 車の自動運転・ロボット・UAVの制御等に不可欠な各種センサー:現場点検にも活用!

お役立ち情報

DETAILS

車の自動運転・ロボット・UAVの制御等に不可欠な各種センサー:現場点検にも活用!

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
車の自動運転・ロボット・UAVの制御等に不可欠な各種センサー:現場点検にも活用!

2019年1月のコンシューマ・エレクトロニクス・ショウ(CES )2019年には車の自動運転、家事援助ロボット、ドローン自動運行、等盛り沢山な話題が登場した。この中で「センサー&バイオメトリクス」という製品カテゴリーに出展した会社は33社であった。全体の出展者数から見れば、決して大きな数ではないが、センサーが重要であることは、自動運転であれ、ロボットであれ、疑いようもない。

センサーを考えるときに基本となるのは人の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)である。そこでこの5のカテゴリーでどのようなセンサーがあるのかを見てみよう。

1.視覚

人が見るという機能を機械で置き換えると、可視光であれば写真撮影、可視光でなければレーザスキャンといったといった手段で画像を取得し、その結果を解析するという方法になる。

CESに出展していたXvisioの製品eXLAM-80Xは、対象を認識し、対象の寸法・奥行きを計測する複合的な機能を持つ。2個の魚眼レンズカメラ、TOFカメラ、RGBカメラをコンパクトな筐体に収納した製品で、ドローンやロボットに装着することを想定している。

車の自動運転では、距離の近いところだけでなく、遠くを見てどう運転するかを判断する必要がある。

同じくCESに出展していたBarajaの製品Spectram-Scanはレーザーを使い、200m先の物体からの反射をとらえて認識するという。

2.聴覚

生活環境では様々な音が満ち溢れているために、センサーとして音波領域を使うことはまずないが、超音波領域は対象の認識や、対象までの距離測定に使われている。超音波を使うメリットは透明な物体(ガラス等)や網状の物体でも検出できる点にある。

超音波センサーを作っているARUDINOという会社がある(CESには出展していなかった)。この会社は教育を狙って様々な製品を出している。そのほとんどはプリント基板に部品が乗っているだけの、謂わば小さなサイズの部品なのだが、それぞれの製品を組み合わせると結構なシステムが組めるようになっている。もちろん単価が安く、数ドルから数十ドルとなっている。DIYユーザにむけて、六足ロボットや自動販売機、自動選別装置の組み立てキットなどもある。

同社の一つの製品であるHC-SR04超音波センサーは発信機と受信機が横並びに基板に取り付けてあり、このセンサー基板とデータ処理モジュールとは4本のピンで接続する。40KHZの超音波を使って2cm~4mまでの距離測定が可能である。

一方、ドロ-ンに搭載する超音波センサーはMaxBotix社のMB7051 XL Maxsonar WRMLのように、25cm~10mという広範囲な距離測定が可能である。


3.触覚

ロボットは物をつかむ動作をする時に、対象物の方さを自動的に判定し、硬さに見合った力で掴むという微妙な制御が必要である。
感圧センサーには歪ゲージ方式、抵抗膜方式、静電容量方式などがあり、特性により使い分けられている。CESではOMRONがピンポンロボットを展示していた。
(Youtube参照:https://www.youtube.com/watch?v=UbVVcyZ8alc)人間と対戦して勝つていたので、球の動きをカメラで追い、ラケットを操作して打球をコントロールするという一連の制御はたいしたものだと思う。

しかし、残念なことにロボットはラケットを握ってはおらず、アクチュエータに固定されていた。ロボットがラケットを握って球を打てるようになるには、まだ相当の年月が必要になるのだろう。


4.味覚

Electronic Tongueと称される味覚判定器はまだ多くは無く、TS-5000Zと呼ばれるインテリジェントセンサーテクノロジー社の製品が日本では使われている。
同社はアンリツのスピンオフで、平成14年にスタートした。食品の味管理や、薬物の苦み測定に使われている。


5.嗅覚

味覚と同じで嗅覚センサーは対象を特定しない限り、作ることが出来ないだろう。CESでは二酸化炭素ガス(匂いはないが)のセンサーが展示されていた。製造元はFoxBerry Sensor社で、IoTの一環として極低電力のCO2およびメタンガスセンサーを出品している。二酸化炭素センサーは一般家庭をはじめとする建屋内の空気管理用に、そしてメタンガスセンサーはパイプラインや鉱山などの有毒ガス検出を用途として期待している。


人間の体ほど高度な複合センサーはない。今後、一層進むであろう機械化や自動化には、センサーの進歩が必要である。現在製品化されているセンサーはほとんどが単機能でだが、今後は一層複合化され、小型化され、機器への組み込みが容易になることを期待する。

当社開発のシステムにも先端的なセンサー技術活用を種々検討し、点検業務効率化を目指している。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加