SIP空港
CASE1
空港管理車両を活用した簡易舗装点検システムの研究開発
採択研究開発テーマ
研究開発項目 | 点検・モニタリング・診断技術の研究開発 |
研究開発課題(※1) | 空港管理車両を活用した簡易舗装点検システムの研究開発 |
研究責任者 | 石川 雄章(東京大学大学院 情報学環 特任教授) |
概要 | 空港舗装路面簡易計測及び変状識別システムを開発し、それらを用いた空港全体の劣化状態の分布や舗装路面状態の経時変化等が確認できるモニタリングシステムを開発する。また、取得したデータを活用して、路面状態に関する時間的、空間的な変状の傾向や規則性等を分析するとともに、本成果を活用した業務の効率化や既存システムとの連携の可能性について検討を行う。こうした研究開発と実証評価を通じて、点検業務の高度化/効 率化と見落としの防止及び変状の正確な把握を同時に実現する。 |
研究実施期間(※2) | 東京大学、パシフィックコンサルタンツ(株)、(株)ソーシャル・キャピタル・デ ザイン |
研究開発項目 | 点検・モニタリング・診断技術の研究開発 |
研究開発テーマ | 空港管理車両を活用した簡易舗装路面点検システムの研究開発 |
研究開発責任者 | 東京大学大学院 情報学環 石川 雄章 |
共同研究グループ | 東京大学、パシフィックコンサルタンツ(株)、(株)ソーシャル・キャピタル・デザイン |
✔研究開発の目的
- 空港管理者が行う舗装巡回点検において、舗装のひびわれ等の損傷を、容易に計測、記録、可視化を実現する。
- 継続的なモニタリングを行うことにより変状の傾向を把握し、効率的な維持管理に活用する。
✔研究開発の内容
簡易舗装点検システムは、以下の項目により構成される。
A:路面状態の簡易な計測・記録
B:計測データによる変状の識別
C:点検データ等の可視化による現場支援
D:データ分析による業務の高度化、効率化を実現。
現状の成果①

A 空港舗装路面簡易計測システムの開発
技術的な課題
空港管理者自らが操作できる容易な操作性
短い点検時間で精細な大量のデータ取得を可能とする計測
システムの現状
光学カメラ、赤外線センサー、GPS装置等を搭載した計測台車を開発し、空港管理者所有の車両に取付け巡回点検で使用
走行速度30km/hでの撮影、データ取得・蓄積が可能
最終目標
路面ひびわれ幅1mm、凹凸形状は上下5mm以内水平面分解能3cmの計測精度

B 空港舗装路面変状識別システムの開発
技術的な課題
滑走路面全体を網羅する広域画像の生成
高精度の路面変状の識別
システムの現状
撮影動画のフレーム画像を合成し、滑走路面全体を網羅する広域画像を生成可能
合成画像に対し、幅1mm以上の線状ひび割れと亀甲状クラックを検出し、検出位置と共にDBに登録
赤外線センサーの凹凸情報から深さ1cmの変状を検出し記録
現状の成果②

C 空港舗装路面変状把握のためのUIの開発
現場の課題
複数回の現場実証による変状データ蓄積と経時変化把握
既往データとの関連付け実現
システムの現状
評価レベル分布、広域俯瞰写真、変状重畳表示、変状リスト等の機能により、変状と過去の状態を可視化する機能を実現
管理者の事務所PC、現場タブレット端末等で同様の情報を参照可能

D 維持管理業務の高度化実証
データ分析による業務効率化
システムにより得られたデータを用いて、日常的な舗装の変化把握だけでなく、変状傾向や規則性を抽出するためのデータ分析を実施
実証評価を踏まえた維持管理業務の高度化
現場でのニーズを把握することにより、各種システムの有効性を検証
現在の巡回点検とシステム導入による手順ついて、実証試験を通じ検し、効率化を実現
測定時の走行精度を向上させるため、ガイドアプリ機能の開発により現場業務の高度化を実現
最終目標
達成目標
A:簡易計測システム | 幅ひび割れ1mm以上の検出、水平5mmの画像分解能、深さ1cmの変状分解能 |
B:変状識別システム | 滑走路の連続画像化、位置に対応した高速な画像表示、線状/亀甲状クラックの識別、損傷種別・ランク・サイズの記録 |
C:UIの開発 | 滑走路の全体図、路面の広域・部分画像、識別された損傷情報の連携表示 |
D:維持管理の高度化 | 変状DB等による空間分布や経年変化等の傾向分析、巡回点検の効率化 |
想定するサービス提供の仕組み
日常の巡回点検として使用する場合
簡易舗装点検システムを貸与(保守含む)し、管理者が自ら点検業務に活用。あわせて取得データをもとに業務の高度化サービス提供。
定期点検として使用する場合
定期的な点検として、サービス提供者が舗装路面状況の計測、データ解析、分析までを実施し結果を提供