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CES 2026報告 第二章

CES REPORT CHAPTER 2

何故CESが注目されるか

まず、今年の出展状況を見てみましょう。(企業数はCESの公式発表値ではない。 備考欄*印はEqualOceanから引用したもの)

順位 国・地域 出展企業数 備考
1 アメリカ合衆国 1,325社 ホスト国・最大の出展規模(企業数)
2 中国 1,176社 アメリカに次ぐ出展規模*
3 韓国 793社 第3位の出展規模
4 フランス 137社 欧州の存在感を示す国のひとつ*
5 日本 102社 大手の存在感はあるがスタートアップが少ない。
6 イタリア 59社 欧州中堅国で一定規模の出展*
7 ドイツ 53社 工業・技術系企業中心に出展*
8 オランダ 53社  
9 イスラエル 38社  
10 シンガポール 36社 小規模ながら特色ある出展*
11 スイス 32社 中小企業中心の出展*
12 イギリス 30社  
13 インド 29社  
14 ベルギー 24社  
15 ハンガリー 14社  

EqualOceanは2018年に、企業革新のために世界的な国際情報サービスおよび投資調査のプラットフォームとなることを目的に設立された中国の機関です。日本のJETROや韓国のKOTRAのような存在かも知れません。


EqualOceanがCES2026について報告書を出しているのですが、CESにおける米国の優位性は過去のものになったと評価しています。一部を抜粋しておきましょう。



多くの人はいまだにCESを「米国主導のコンシューマー・エレクトロニクスショー」と捉える癖がある。しかし2026年では、その認識は明らかに現実とずれ始めている。 公開されたCESへの4,177社の出展者を見ると、米国と中国の参加規模はほぼ互角だ。韓国も予想を大きく上回る出展者数で続き、ヨーロッパと日本は安定しつつも分散した中間層を形成している。CESの重心は静かに移動しつつある。 実際に会場を歩くと、この変化はさらに実感を伴う。英語のサイン、アメリカのコンベンション・センター、世界中のメディアといった外側はこれまで通りだが、ブースの中にいるエンジニア、プロダクトマネージャー、創業者たちは、ますます深圳、東莞、杭州、上海から来ている。華強北からラスベガスへ──この年次イベントは、もはや従来型の展示会というより、世界の舞台に置かれた「年次報告書」のような趣すらある。



中國は明らかにCESを国威発揚の場ととらえ、総力を挙げてCESに取り組んでいるようです。ではその中国が米国・韓国や日本をどのように評価しているでしょうか。 もう一度EqualOceanの記事を引用します。



米国企業はCESにおいて、プラットフォームの定義者やエコシステムの組織者としての役割を担うことが多い。展示内容も、個々の製品よりも、クラウドコンピューティング、AI、コンピューティングパワー、ソフトウェアプラットフォーム、産業向けソリューションといったシステムレベルの能力を強調する傾向がある。 中国は1,176社で2位となり、その規模はすでに米国に非常に近い。この事実だけでも、CESが中国企業にとってますます重要なグローバル舞台となっていることを示している。各ブランドは、国際市場に向けて自社の製品・技術・ビジョンを積極的に発信する場としてCESを活用している。構造的には、消費者向け電子機器やスマートハードウェアから、AI、ロボティクス、自動車技術まで幅広く網羅しており、明確に“産業チェーン全体”が参加している様相を呈している。 韓国は793社で3位に位置し、各国の中でも際立った数字となっている。これは韓国のテクノロジー産業が非常に外向きであることを反映している。韓国企業は複数の技術領域で高密度に参加しており、CESイノベーションアワード受賞者の約60%が韓国企業という事実は、AI、ロボティクス、スマートリビング、デジタルヘルスといった分野での韓国のイノベーションが世界的に評価されていることを示している。また、2012年に開始されたSamsung C-Lab(サムスンのイノベーションインキュベーションプログラム)は、AI、ロボティクス、ヘルス技術を集中的に展示し、これらの分野における韓国エコシステムの深さと活力を象徴している。 4位以降になると、国ごとの差は収束し始める。フランス(137社)と日本(103社)は、それぞれ欧州と東アジアにおける成熟した産業システムの安定した存在感を示している。 フランスの公式パビリオンは「ポートフォリオ型の技術ストーリー」を強調しており、AI、ヘルステック、モビリティ、デジタルソリューションが並列的に展開されている。さらにサイバーセキュリティやスマートシティといったB2B・産業用途にも広がっている。CESにおけるフランス企業は、産業クライアント向けの技術サプライヤーという性格が強い。 対照的に、日本企業は「二つのトラック」を示している。一つは、大企業がAIを抽象概念ではなく、ビジネスオペレーションや実世界のシナリオに直接組み込んだシステムレベルのソリューションを提示する路線である。例えば、パナソニックのCES 2026テーマ「The Future We Make」は、AI駆動のソリューションとインフラ能力を強調している。もう一つは、日本のアウトバウンド型イノベーションとして、スペースコンピューティング(AR/VR/XR)、先端素材、AI、ヘルステック、エンターテインメント技術などが並び、強いエンジニアリング力とハードテックの蓄積を示している。日本企業はトレンドを追うというより、長い開発サイクルを経て磨き上げた技術を提示する傾向がある。



先に「思いがけないニュース」と書いたのは「CESイノベーションアワード受賞者の約60%が韓国企業という事実」でした。次節でこの点について触れることにします。

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