コンクリート損傷記録システム
Concrete Damage Record System
高精細度写真撮影と自動処理により、橋脚や床版、ダム外壁、ビル外壁などのコンクリートひび割れを効率的に検出・測定・トレース。画像合成からCAD図作成までを自動化し、点検時間を大幅に短縮します。
ひび割れ画像の処理問題点
- 大型橋脚、床版、ダム外壁、ビル外壁などコンクリートひび割れを検出し、トレースしてCAD図を作成するには、撮影方法、ひび割れ幅測定、トレース方法、CAD図作成方法など多くの課題がある。
- 橋脚の高所あるいは床板のひび割れを測定するためには、作業車の準備やその仕様に伴う交通規制などが必要となり、測定準備だけでもおおくの時間が必要である。
本システムの特長
- 目視点検に代わる方法として、高精細度写真撮影により取得した画像からひび割れを検出する。
- 写真撮影を連続的に、且つ自動的に行い、撮影にかかり時間を減らす。
- 画像を漏れなく撮影するために、部分重複した画像をとり、それを加工して全体の画像を合成し、さらに区画を設定して目視点検用画像を切り出す。
- 目視点検用画像上で、ひび割れを見つけたなら、電子スケールでひび割れ幅を測定し、トレースしてひび割れ長を自動測定する。
- トレース図を統合して全体図を作り、直接CAD図を生成する。
- 高所の撮影方法として、望遠カメラ(300mm)を使用できる。
- 被写体とカメラの間隔は、標準レンズでは約2m、また、望遠レンズを使えば10m離れて0.2㎜のひび割れを検出できる。
- 撮影には電子制御雲台を使って、連続自動撮影をおこなう。

機器仕様例
PC (画像処理用)
OS Windows 10 (64ビット)
メモリ 16GB以上
ストレージ 1TB
MS Visio 2019
MS Office 2016
8Kカメラ Nikon D850
レンズ(床版用)
AI AF DC-Nikkor 135mm f/2D
レンズ(橋脚用)
AF Zoom-Nikkor 70-300mm f/4-5.6G
PC制御電動雲台
サステイナブルロボテクス社
パンチルド雲台システム SPT-08
パンチルドユニット PTU-D48E
最大角度分解能 パン 0.006°チルト0.003°


トレースが完了すると、ひび割れデータの一覧表が出力されるので、ひび割れ全長計算が容易にできる。

Image Combine
- 撮影した画像を結合し、整合した全体画像を作る。
- 合成しようとした画像に歪がある場合は、修正ツールで修正し、全体が正しく結合できるようにする。
D Trace
- 合成画像をCAD図サイズに切り出し、トレースをおこなう。
- ひび割れをトレースすると、幅長さを計測できる。
- 漏水などの面積は周囲をトレースすると面積が自動で計算される。
- 下図にトレース例を示します。

